国語現代文勉強法!中学高校大学受験文章問題・長文読解力のコツ
小学国語、中学受験国語、中学国語、高校受験国語、高校現代文・大学受験現代文と分かれますが、文章問題、長文読解問題の解き方は1つ。
違いは何かと言えば、出てくる言葉の難易度くらいです。
大学受験レベルになると背景知識といってあらかじめ知っていた方が有利だったりする知識もあるのですが、小学校から高校受験まではセンスとか背景知識などがなくても今回、ご紹介する解き方を使えば成績上位グループに入れます。
この記事では中学受験問題を例に中学生の国語の文章問題=長文読解問題を軸に解説していますが、何度も言うように解法は同じなのでぜひ参考にしてください。
長文読解問題は評論文・随筆・小説の3つありますが、今回は割合的に一番多い評論文(小中学校では説明文ともいう)の解法を元に説明します。
もくじ(タッチすると移動します)
評論文とは
平成25年度の東京都の公立高校入試問題の大問4についてこう書かれています。
説明的な文章を読み,叙述や文脈などに即して,語句や文の意味,文章の構成及 び要旨などを正しく読み取る能力をみるとともに,考えが正確に伝わるように構成 を工夫しながら,相手や目的に応じて自分の意見を論理的に表現する能力をみる。
イマイチよくわかりません・・・。
なのでかんたんにいうと評論文(ひょうろんぶん)とはあるテーマについて論じられている文章のことです。
中学から大学受験の現代文まで通用する実践的な長文問題の解き方
1、テーマをおさえる
テーマとは何について論じられている文章なのかの「何」の部分です。主題ともいいます。
どうやってテーマを見つけるのかというとまず1回目に読むとき、文章中によく出てくる言葉をヒントに自分で考える。よく出てくる言葉がテーマになっている(特に文章の後半部分に注意)ことが多い。
2、筆者が言いたいこと(文章の趣旨)をおさえる
2回目の読みで「筆者がテーマについて述べている場所」「どうせよといっている場所」を探して線を引く。(筆者が“どうせよ”まで言っている文章は少ない)。
「テーマについて述べている場所」というのは例えば文章のテーマが「読書」の場合
- 「読書は教養を高めるものだ」
- 「読書は〇〇だ」などのように
テーマ(読書)について定義(ていぎ)しているところを指します。
繰り返しますね!定義(ていぎ)とは「テーマ(例:読書)とは〇〇です」のようにテーマについてはっきりと述べることです。なので、筆者がテーマについて断定していたり、自分の意見を述べている部分は定義しているところと考えても良いです。
「読書は毎日するべきだ」は“どうせよ”といっている場所になりますのでより重要だということがわかります。筆者が言いたいことは繰り返されるので線を引く場所は数か所あるはずです。
そして、
- テーマについて繰り返されている定義(ていぎ)
- 「本当の」「真の」「本来的」「根源的」が付いている定義
これらを合わせて筆者が文章の中で一番言いたいこと=「趣旨(しゅし)」と言います。テーマと筆者のいいたいことを押さえられたら問題を解き始めます。
問題の解き方
長文問題には主に以下2つのような出題パターンがあります。
他にも空欄補充で接続詞を選んだり、「これ」とはなにか?のような指示語を答えさせる問題もありますが、大きく点差が開く問題のパターンはこの2つです。
- ───とはどういうことか。次のうちから最も適切なものを選べ。
- ───とあるが筆者がこのように述べたのはなぜか?次のうちから最も適切なものを選べ。
解答手順
どんなに難しい問題であっても長文問題の解答方法はズバリ、「───傍線部をわかりやすく言いかえる」です。
例えば「相違(そうい)」という言葉もわかりやすく「ちがい」に直し、「本質的(ほんしつてき)」も「大事なこと」のように小学生でもわかるようなわかりやすい文章に直していきいます。
ここまで、───傍線部をわかりやすく言い換えてから選択肢にある傍線部と同じ回答を選ぶのが正しい長文読解問の解き方です。
───とあるが筆者がこのように述べたのはなぜか?次にうちから最も適切なものを選べ。
の問題パターンも同様に「───傍線部をわかりやすく言いかえて」から文章の傍に必ずその理由が書かれている場所がありますのでそれを見つけてから、選択肢の中から選びます。
決して先に選択肢見てから比較してはいけません。
おさらい~国語の長文読解の手順1~4
1.テーマを押さえる・・・1回目の読みで何について書かれている文章なのかを知る。何回も繰り返し出てくる言葉(=キーワード)がテーマである。ざっくりとでも良いのでテーマを決めたら問題用紙にメモしておく。
2.筆者が言いたいこと(趣旨)を押さえる・・・2回目の読みでテーマについて述べている部分(何か所かある)やテーマについて❝どうせよ❞と言っている部分(書いてある文章は少ないがあっても1か所)を見つけ傍線を引いておく。
3.テーマと趣旨「テーマについて述べている部分(=定義しているところ)、テーマについてどうせよと言っている部分」を見つけてから問題を解き始める。この2つがしっかりわかっていればひっかけ問題に惑わされることなく正解を見つけられる。
4.問題の解き方。
───とはどういうことか。次のうちから最も適切なものを選べ。という問題は
傍線部のわからない言葉や部分を細かくパーツに分けてわかりやすく言い換える。
例えば「これは/相対的に/決められるべきことである」と書かれていたら
これは⇒これがどこを指すのか傍線部よりも前に書かれている部分から探し当てはめる。
相対的に⇒難しい言葉が出てきたら言い換える。相対的=他と比べて(ただ相対的の意味を知らないと出来ない。だから漢字の勉強は大切)
───とあるが筆者がこのように述べたのはなぜか?次のうちから最も適切なものを選べ。という問題は
必ず傍線部のそばに「~だから」「~ので・・・」「~のため・・・」「~が原因」のように因果関係(原因と結果がセットになっている部分)があるのでそこが正解
※傍線部をわかりやすく言い換えてから問題を解けば選択問題だろうと記述だろうと迷うことはない。傍線部をあいまいにしたまま選択問題の中で比べてしまい時間がかかるし引っかけ問題に惑わされる。
4択の場合必ず2つで迷うように作られている。引っかけの選択肢は長文問題の中に出てきた全然関係ない部分をつなぎ合わせて作るためどれも正解のように錯覚してしまうが、テーマや趣旨を押さえた上で傍線部をわかりやすく言い換えれば、そのような引っかけ問題に引っかかることはない。
一見遠回りに見えますがこの方法が一番正答率を上げる方法。なので絶対にいきなり選択肢を見て回答するのはやめよう。
国語の長文読解に速読は必要ない
国語も英語も長文読解問題の悩みで多いのが、「読むのが遅くて時間が無くなる」というもの。
私が紹介している長文読解法も1回目の読みでテーマを2回目の読みで趣旨(筆者が言いたいこと)を探すように2回読み直します。
これに対し、時間が無くなってしまうのでは?という疑問があると思いますがその心配はありません。
長文読解で時間がかかる理由はテーマと趣旨が理解できていない状態のまま問題を解き始めてしまうことによって、何度も読み返したり問題の選択肢の中で悩んだり、記述問題で何を書いていいのか悩むため時間が掛かるんです。
2回読んだ後にテーマと趣旨が押さえられれば、その後の問題はスムーズに溶けるように作られています。
慣れてくると1回読んだだけでもテーマと趣旨を見つけられるようになるのでさらに時間短縮は可能です。
確かに一流大学受験レベルになると文章も難しいのでこの作業が高度になるのですが、中学校の中間・期末試験や高校受験(県立・市立・私立)であれば私が紹介している長文読解法で問題なく成績は上がります。
では、なぜ学力に差が開くのかというとそれは、知っている言葉の数と練習量の違いです。
知っている言葉が多ければ難しい文章でもスラスラ読めます。逆に知らない言葉が多ければわかりませんよね。例えばいきなりロシア語の文章を読めと言われても多くの人が読めないのと同じです。
そして練習量とは部活と同じで、リフティングの練習や試合に出れば出るほど、どうすればうまく出来るかなんとなくわかるようになりますよね?
ダンスの振り付けも1回目より10回目の方が上手くできたり、ゲームやカラオケ等回数を重ねるとコツがわかるのと同じです。
つまり、今回紹介した長文読解方法を使い練習問題をたくさん解きましょう。
その際にわからない言葉が出てきたら必ず辞書で調べましょう。←コレ重要!
知っている言葉を増やす練習になります。
しかも中学のテストや高校・大学受験レベルの読解問題によく出てくる難しい言葉は限られおり専用の用語集もありますので辞書一冊暗記する必要は全くありません!
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は公立高校の問題を例にしたのでめちゃくちゃ難しく感じたと思いますが、赤字と黄色字のところを覚えれば、どんな問題でもクリアすることができます。
事実、中学校3年の12月に国語のテストの点数が常に平均30点代だった子にこの読解法を教えたところ1か月後には80点くらい取れるようになりました。
国語の長文問題の難易度の差は文章で使われている言葉の難しさと内容です。
内容が具体的であればわかりやすいですが抽象的(あいまい)であれば内容がつかみにくいです。
そのため、長文問題を読み解くコツは文章のテーマと筆者の言いたいことをおさえ、各問題では───傍線部をできるだけわかりやすく言い換えることです。
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